虎は翼に愛される
剣の腕は超一流ながら無役の貧乏御家人・彦十郎と、
優秀な頭脳を持ちながら継ぐ家督もない貧乏旗本の次男坊・龍之介。
親友同士の二人が、お恵渡(えど)の町を舞台に暴れ回る――。
ディアプラス文庫「華は褥に咲き狂う」主人公・八代将軍光彬の祖父、あらゆるモノに愛されまくった、あの彦十郎の物語!!
【あらすじ】
貧乏御家人・彦十郎は、親友の貧乏旗本の次男坊・龍之介と共にお役に就けぬまま、日々時間を持て余していた。実は彦十郎は幼い頃に天狗・愛染坊に神域に連れ去られ、一年間そこで愛染坊の誘惑に耐え、愛染坊の相棒・地獄坊から厳しい剣の指導を受けた過去があった。
ある日ふたりは街で火事に遭遇する。火消しを率いて現れたのは幼なじみでもある幸伸。彼は一年半前、大身旗本・斎藤家の一人娘を火事場から助けた縁で婿入りし立身出世を遂げていた。火元近くで幸伸の筓を見つけ彼の犯行ではと疑念を抱くふたりだが、どちらの火事も、幸伸を健気に慕う女中・累が起こしたことだとわかる。筓はいつか迎えに行くという約束の印に幸伸が累に渡したものだった。それを知った幸伸はあっさりと累を殺害。怒りのあまり人ならざる力を発しかけた彦十郎が幸伸に斬りかかるが、そこへ龍之介が現れ間一髪正気に戻る。そもそも彦十郎がこの事件に関わることになったのも、いまだ彦十郎を仲間にしたいと願う愛染坊の企みだった。公には幸伸の悪行を咎められないままとなったが……。
第一話はこちら
Characters
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榊原彦十郎(さかきばら・ひこじゅうろう)
貧乏御家人。18歳。天衣無縫で剣の達人。後の将軍・光彬の祖父。
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常磐龍之介(ときわ・りゅうのすけ)
彦十郎の幼なじみで苦労性の秀才。貧乏旗本の次男。
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愛染坊(あいぜんぼう)
天狗。絶世の美貌の持ち主で、彦十郎に執着する。
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地獄坊(じごくぼう)
天狗。愛染坊が唯一頭が上がらない。彦十郎の剣の師匠。
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斎藤幸伸(さいとう・ゆきのぶ)
彦十郎たちの幼なじみ。20歳。一年半前、大身旗本・斎藤家に婿入りする。
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累(かさね)
幸伸の実家の使用人の少女。幸伸を慕っていたが利用され、殺される。
お知らせ
電子文庫「虎は翼に愛される」2024年春頃発売決定!!
ディアプラス文庫「華は褥に咲き狂う」全8巻、大好評発売中!!
(1~4巻は電子にて配信中)
先生からのコメント
『虎は翼に愛される』、おかげさまで最終回を迎えることが出来ました! 応援して下さった皆さん、ありがとうございます。彦十郎のお話はここで一区切りですが、彦十郎の孫が活躍する『華は褥に咲き狂う』がディアプラス文庫さんより全八巻で発売されておりますので、BLが読める方はぜひこちらもよろしくお願いします。彦十郎と龍之介も登場してますよ。